「成年後見の受任」で独立起業を考える社会福祉士さんたちへ・・・ちょっと待って!あなたにとっての【キラキラのもと】考えたことがありますか?

*これから数年かけて「成年後見制度の改正」が控えていること。現在、その整備中であることをご承知であるという前提で書いています。あしからず・・・

春は「独立」を考えたくなる?

春です。

新年度、新しい年のはじまりですね。

先日、コンサルの方と話をしていて「この時期は起業相談が増える。」と伺いました。

たしかに、この細々とした個人経営の当事務所にも、そのようなご相談やお悩みが少なからず寄せられますし、季節的にはお正月明けから春にかけてが一番多いようです。

春・・・なにか新しいことを始めたくなる春?

当事務所のブログで「社会福祉士事務所」「独立」「起業」・・・の検索が、年間で一番増える春です。

さらにその中でも断トツで多い内容は、

『このたび、研修カリキュラムがようやく終わりました。これで『成年後見人としてやっていけます』。それで、独立するにはこれからまず何をどうしたらいいでしょうか?』

私は、このような切り出し方のご相談に対しては、必ず「少し冷静に、この先のプランをお考えになってみた方が宜しいのではないですか?」と返すことにしています。

「成年後見の受任」—これから起こる変化を丁寧に理解していますか?

現実的な話をしましょう。

もしかしたら、たぶん厳しいことを申し上げます。

また、あくまで私の考えですので、押し付けるつもりはありません。

しかし、独立型社会福祉士であり成年後見の受任を自身の生業の「ひとつ」にしている先輩としてお伝えします。

【成年後見制度にまつわるこれから起こる変化に、権利擁護の専門家として真摯に向き合う覚悟が必要です

「成年後見制度」は変革のときを迎えています。

まだ準備期間とはいえ、将来的には大きく変わっていくでしょう。

制度の在り方そのものも、利用のされ方も、おそらく変わってきます。

実務者に対しても、特に権利擁護の専門家である社会福祉士の後見人に対して、期待される視点と役割があります。

また、昨今の「成年後見制度」にまつわるアレコレ報道で、いささかその実務者としては厳しいとも感じられるコメントを寄せられていることは、制度を学んでいる方であればご承知でしょう。

世間の方々の率直なご意見であり、我々が実務を通して与えてきた印象です。

つまり、専門職の横領であるとか、実務の煩雑さについてのご批判であるとか・・・・残念ですが、それらにおいて一部の実務者のあいだで少なからず火種があることも考えれば、ご意見も真摯に受け止める必要はあろうかとも思います。

ここで「親族後見人」はどうだとか、別の属性の方々のことを持ち出し批判の対象をずらそうとするのはナンセンス。

専門家として、世間のご意見に向き合う姿勢も大切にしましょう。

また、(ここからが本題です!)そもそも論で法律も制度も、

「その当事者のためにどう生かされるか」

「その時代や社会的背景にあっているか」

これが最も大切だと思います。

今から起こるであろう民法改正も制度改正も然るべき時が来ただけ。

それを生業にしてどうのこうのとか、ビジネスとして成り立つのかどうかとか、実務者のそのような思いは繋がっているようであくまで実務者側の一方的なもの。

強いて言えばビジネスの話であって、法律や制度の根本の話ではない。

冷たい言い方をすれば、変化の結果、もしかしたらそれだけを生業とする者がその界隈でやっていけなくなる(かも?知れない)だけの話だと思います。

何にしろ見直しが必要な時は必要です。

もちろん当事者のために。

時代や法制度の変化にいら立ちを覚えることも、専門家としてまたナンセンス。

権利擁護を生業とする専門職であれば、この度の変化を「クライエントさんのため」「社会のため」を主軸に考えるべきだと思います。

それを生業にしていることに対しては、必ずしも「プラスの変化」にはならなくても。

「成年後見の受任」=独立起業、その考え方で本当に大丈夫ですか?

もし、あなたがまだ専門家として成年後見制度にまつわるこの「変化」を理解し冷静に受け止めきれていなければ、少なくともあなたの「独立して稼いでいく手段」をもう少し柔軟に、また幅広く検討してから独立起業に望まれることをお勧めします。

つまり、「成年後見の受任」はあくまで、社会福祉士が独立起業する上で従事することが考えられる業務の一つ。

身を立てていく上での「手段の一つ」にすぎないということです。

昨今、ここに認識が浅い方が多い印象が否めません。

特にこれからは、成年後見の受任=「独立起業」それだけではないと思った方がいい。

もし100%成年後見の受任だけで身を立てていくということであれば、かなりの努力と時間とエネルギーが必要だと思います。

相当な件数をこなしていくことにもなるのではないでしょうか。

事案は一つひとつ違いますので、通り一辺倒にはいかないこともそれだけ出てきます。

実務において受任一年生も十年目のベテランも、責任は同じです。

当然ですが、担当件数をたくさん持てばいいというものではなく、その実務をこなしていけているかどうかが問われるのです。

それらに腹をくくる覚悟がご自身に必要で、他の誰のせいにも出来ません。

法改正や制度改正しかり。

せっかくだから「~だけじゃない」働き方を模索しませんか?

自分の周囲を見渡してみても、組織に所属しない社会福祉士が増えてきました。

我々の働き方の種別でいう「独立型社会福祉士」です。

独立起業に憧れがあったり、将来的に目指している方には「キラキラ」見えるかも知れませんね。

私も独立する前はそうでしたので、その印象はとてもよくわかります。

いかにも「成功!」しているように見えるかもしれません。

「成功」については、一人ひとりの納得するところが違いますので、何をもって成功なのかは断言しにくいですが、ここで今後の働き方を模索する際におススメしたいことを一つご提案します。

あなたが独立するとしたらやってみたい「ワクワクすること」は何か考えましょう。

あなたのまわりの「キラキラ」見える独立型社会福祉士を思い出してみてください。

おそらく、独立するからにはやってみたいこと、時間や労力など何かしらの関係で勤め人だったら難しいことに取り組んで楽しそうにしていると思います。

そして、それは必ずしも「稼げること」ではないかも知れません。

でも、たぶん楽しそうだと思います。

彼らの「キラキラのもと」は、実は生業にしている何某よりも、もしかしたらそこにあるのかも知れないなと感じることが多いです。

そして、されどベースは「ソーシャルワーカーとして」ということが基盤になっているはずです。

だから、いわゆる「稼ぐための仕事」においても、キラキラがつながっているのだろうと思います。

独立型社会福祉士としてのポリシーですよね。

我々社会福祉士にとっても、独立起業は今後ますますポピュラーな働き方になっていくと思います。

ただ、せっかくその働き方を選ぶのですから、ぜひ一つのことに固執するのではなく、同時に組織に所属しない地域の一社会福祉士として自分に何ができるのか、自分は何がやりたいのかを、改めて考えて頂きたいなと思います。

それを大きく広く考えた上で、ご自身がどの部分をビジネス化し、どの部分で貢献できて、そのためには何が必要で、何が足りないのかが見えてくると思います。

「後見の受任を〇〇件持てば、食べていける。」

その捉え方がすべて間違っているとは思いません。

ただ、それだけでは続けていくことは難しいかも知れません。

特にこれからは。