
こんなご相談がありました
「あなたが、自分で介護のプラン作ったらいいんじゃないですか・・・そんなこと言われました(涙)」
とある家族介護者さんであり、福祉の専門職でもある方からのご相談でした。
つまり、家族の介護プラン作成をお願いしたのですが、
相談先からの返答は、
あなたも専門職で、その業界の人で、プラン作成だってできるんだから、
「あなたが、自分で(家族の)介護プラン作ったら?」
・・・ということらしいです。
う~ん・・・なんてこったい。
一緒に、はがゆさと、悲しさと、なんともモヤっとする気持ちを共有しました。
専門職である前に家族
ハッキリ申し上げます。
家族介護者が、たとえ職業人として福祉や医療の専門職であっても、それ以前に要介護者の家族です。
家族であることが先です。
相談を受けた専門職は、たまたま家族介護者が持ち合わせている専門性を
ひとまず活用することを真っ先に提案することはやめましょう。
百歩譲って、もしセルフプランのような話になるとしても
それは、要介護者本人や家族介護者からの申し出であることが前提ではないですか?
そもそも、セルフプランを考えているようでしたら、
専門職としての知識を備えている家族介護者であればなおさら、
あなたのところに相談には来ません。
なぜ、やろうと思えば自分でもやれる力量と知識を兼ね備えているのに、
あなたのところへ相談に来ているのか。
まずは、そこに立ち返ってお話を聴いてください。
間違っても、お持ちの専門性に限らず、
要介護者の家族は、あなたのプランニングという業務内における一社会資源ではありません。
あくまで、家族として、要介護者の環境の中に登場してくる人物の一人です。
気持ちもわからなくはないけれど・・・
そうは言いましても・・・
私、だいぶ前になりますが、以前は介護保険のケアマネジャーをしておりました。
(それこそ、介護保険制度も、当時に比べるとだいぶ改正されましたけども。
それぐらい、昔です。)
なので、正直なところ、
相談を受けていた専門職が、このような返答をしてしまった気持ち。
わからなくもないです。
当時、担当するクライエントのご家族に、上記のような言葉を返したことこそありませんが、
例えば、ご家族に看護師さんがいたり、
介護士さんがいたり、
そのようなご家庭の場合は、制度やサービス、ご病気のお話が伝わりやすくていいなあと、
感じることはありました。
何かとお話はしやすいです。
自分自身と共通することを、もともと学んでおられますからね。
家族介護者の想いに寄り添う
そして、私、
先で登場した相談者の方と同じく、福祉の専門職でありながら家族介護者です。
自分自身も要介護者の家族を抱えて、かれこれ十数年経ちます。
その間、自分なりに
ケアラー(家族介護者)支援についても考え、取り組んできました。
そのような中、自身の経験をもとにたどり着いたこと。
それは、「ケアラー支援の基本は、まず家族介護者の想いを聴き、寄り添うこと」です。
個別に起こっている介護のあれこれが、良いとか、悪いとか、
そういうのは、これから。
実質的に介護を考える上で、
何がどうできるとか、これはどうした方がいいとか、
そういうのも、これから。
まずは、傾聴だと思います。
傾聴が丁寧にできるほど、家族介護者との信頼関係は構築しやすく、
家族介護者の想いにも気づきやすくなると思います。
家族介護者は敏感です。
この部分が「浅い」と、必ず気づきます。
相談先としての力量を問うてきます。
必死ですから。
相談を受けるあなたには、数十件ある担当案件の中の一件かも知れません。
でも、家族介護者にとっては、かけがえのない一件なのです。
先程の相談を受けていた専門職の方は・・・
ちょっと、お仕事が多忙とか、なにやらで、
ご自身のお気持ちにもスケジュールにも、あまり余裕がなかったのかも知れませんね。
ただ、ちょっと立ち止まってお考え下さい。
担当する要介護者のご家族が、
元気で、イキイキとしていて、家事や仕事と介護の両立も楽しそうにされていたら・・・
それは、あなたのクライエントである要介護者にとっても、とても重要なことではないですか?
担当者としても、ご自身のクライエントが穏やかであって欲しいですよね。
ポジショニングはそれぞれでも、結果、そこに繋がっていると考えましょう。
そのためにも、家族介護者の想いに、まずは真摯に向き合ってください。
個人的な、固定概念で見ないでください。
家族介護者の想いもまた、一人ひとり違うのですよ。