成年後見制度につないだあと②

成年後見制度につなぐ支援者さんたち

ご病気や障がいを理由に判断能力に支援が必要な方が、成年後見制度を利用されます。

ご本人のご病気や障がいの程度に関わらず、制度利用にあたり、そのための「つなぐ支援」を行う支援者さんがご本人のそばにいらっしゃることも多いです。

もちろん、専門家や相談窓口を頼らずに、ご本人やご家族が制度利用に向けて準備されることもあります。

しかし、まだまだ制度についての理解や周知が行き届かない部分も多いことと、裁判所に提出する必要書類があまり一般的に目にするものではないためか、私の肌感触ではありますが、利用にあたり支援者さんがいることの方が多い印象があります。

相談窓口の専門職や申立代理人になる弁護士さんなどがそうですね。

私は仕事柄、行政窓口や地域包括支援センターの職員さん、弁護士さん、ケアマネジャーさんなどによくお会いします。

後見人が決まったら・・・

上記のような支援者さんたちの働きかけで、ぶじに後見人等(保佐人、補助人)が決まり、いよいよ実務がはじまります。

後見人等は、当然のことながらまずはご本人に受任のご挨拶をします。

そして、ご本人をとりまく関係者の方々にも。

関係者というのは、多くの場合、在宅生活、施設入所どちらの環境においても、医療や福祉の支援者さんがご本人の生活をサポートされていることが多いので、それらご本人の生活環境にいらっしゃる方々のことです。

その中には、前述の「つなぐ支援」を行った支援者さんたちも入ることが多いです。

申し立てに至った経緯や、これまでの状況などを伺います。

また、早速、控えている契約行為を代理で行うなど、何かしらの諸手続きにおいても、後見人等が決まるのを待っていることも少なくありません。

お顔合わせとご挨拶を済ませたら、ご本人との信頼関係の構築に努めながら、早々に後見実務がはじまっていきます。

ご本人のご家族には?

ご本人に、そして医療・福祉のご本人をとりまく関係者の方々、利用支援を行った支援者さんらとのお顔合わせとご挨拶を行うと申し上げましたが、ではご本人のご家族は?

後見人等にとって、ご本人のご家族に対する接触(あいさつや電話等の連絡、面会)は実はケースバイケースです。

必要かどうか、またそのタイミングは、後見人等が判断します。

ちなみに、ここでいう「家族」とは、多くの場合、我々実務者は制度上ご本人からみた「法定相続人」のことを指します。

また、厳密に言うと、そもそもご本人が成年後見制度を必要とし利用されるにあたり、ご家族の意向はそこまで重要視されません。

成年後見制度は、「ご本人の権利擁護」のためにあるからです。

家庭裁判所に提出する成年後見等審判の申立書類の中には「法定相続人の(申立についての)同意書」があります。

しかし、この同意書が何らかの事情で「添付されていない」場合も、もしくは法定相続人が「申立に反対」されていても、家庭裁判所でご本人に制度利用が必要だと判断されれば審判はおります。

成年後見制度の主体は、あくまでご本人「個人」だからです。

そして、成年後見人等はご本人の最善の利益、権利の擁護を遂行することが鉄則です。

そう考えると、ご本人に不必要な接触は、たとえご家族であっても「必要ない」または「今、しなくてもよい」と判断することもあるというわけです。

ご本人にとってその連絡等が必要かどうか

ご家族にしてみれば、後見人って冷たいと感じられるかも知れません。

ただ、必ずしも、すべてにおいて後見人にその義務があるかどうかと言えば、厳密にはないといったところでしょうか。

そもそも、それ以前のご本人とご家族の関係性もありますしね。

どちらか一方が、または双方で、相手を強く拒否している場合も少なくありません。

その場合は、そのお気持ちやその感情に至る背景を考慮することもあります。

私が対応している事案の中には、ご本人のことは訳あって完全に拒否されているご家族ですが、後見人の私とは好意的に関わってくださるケースもあります。

人の気持ちですから、そこはいろいろです。

また、誤解を招かないためにも申し上げますが、いつでも、どの後見人等もそのように対応しているわけでもありません。

必要な連絡は、むしろ探し出してでも取ろうとしてくるのも後見人です。

必要な連絡とは、「ご本人にとって、ご家族にご連絡しなければいけない内容かどうか」です。

つまり、後見人等のご家族への接触の判断は、やはり「ご本人にとっての必要性」なんですね。

理由もなく、ただ連絡先を知っているからということで、後見人等がご家族に度々ご連絡さしあげるものでもないのですが、そこは職務上ということもありますのでご理解頂きたいです。

支援者のみなさんには、後見実務のそれらにおいても抑えつつ、ご支援頂けたらと思います。