障がい福祉分野における「地域移行等意向確認の義務化」がはじまります

障がい福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン

厚生労働省では、平成29年3月に「障がい福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」を策定しました。

障がい者の利益を尊重し、より質の高いサービスを提供することを目的に作られました。

*参照 PowerPoint プレゼンテーション  厚生労働省:「障がい福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」および概要

このガイドラインでは、障がいのある方が日常生活および社会生活において、ご自身の意思が適切に反映された生活が送れること。

そのために障がい福祉サービスの提供に関わる支援者らにおける必要な支援やその方法・考え方に関する指針について示してあります。

「地域移行等意向確認」の義務化にむけて

その後の令和6年「障がい福祉サービス等報酬改定」の中で、

【すべての入居者に対して地域生活への移行に関する意向や施設外の日中活動サービスの利用意向について確認し、ご本人の希望に応じたサービス利用になるようにしなければならない】旨、入所施設の一般原則に規定されました。

たとえば、「現在の住まいである入所施設以外のグループホーム等への転居」。

「現在利用している日中活動のサービス事業所を別の事業所に変更する」など。

ご本人の意向を丁寧に確認し、支援者側の一方的な判断であらゆる可能性を排除することなく、ご本人にとって生活の質の向上につなげる【個別支援】を実現することです。

また、「地域移行等意向確認担当者」の選任や「地域移行等意向確認等に関する指針」の作成なども規定されています。

令和8年度から地域移行等意向確認が「義務化」に

令和8年度より「地域移行等意向確認」の義務化がはじまります。

支援体制の整備期間が終わり、支援の実施がいよいよ「義務化」されるのです。

そもそも障がい福祉分野における「地域移行」とは、障がいのある方が施設や病院など限られた集団的環境から、地域で暮らす一人として、地域社会の中で「自立した生活を送ることをめざす」取り組みです。

取り組みに対して生活者であるご本人がそれぞれの想いや希望を表出できること、想いや希望を可能な限り叶えていくこと、叶えられるように環境を整えていくことは、なにも特別なことではないでしょう。

これまでのステップは決して早くはありませんが、障がいのある方の権利や人権、生活の質の向上に対する考えがようやくここまできたと感じています。

知的障がいがある方への支援現場における「意思決定支援研修」開催

私の後見業務においても、クライエントに知的障がいのある方がいらっしゃいます。

先日、ある知的障がい者支援施設において、「意思決定支援」についての研修に講師として参加しました。

講師とはいえ、自分自身にとっても日頃の業務の振り返りにもなり、たいへん有意義な時間でした。

もちろん意思決定支援ガイドラインは、障がい福祉分野に限らず他の分野のガイドラインも策定されており、講義の中では「成年後見制度における意思決定支援」についても合わせてお話させて頂きました。

もちろん、どの分野においても主体は「ご本人の意思」です。

支援者としての立場や専門分野は違えど、多くの場面で意思決定支援における「基本的に大切なこと」は重なると考えます。

ご自身が所属する分野の意思決定支援ガイドラインに限らず、他の分野のガイドラインも合わせて確認されることもお勧めします。

意思決定支援への取り組みや考え方がより深まり効果的です。

*参照  【セット】R2.10月公表 ガイドライン比較表

厚生労働省:「意思決定支援等に係る各種ガイドラインの比較について」