
成年後見制度につなぐ支援の第一歩
ケアマネジャーさん、介護員さん・・・etcが、日々の業務の中で「成年後見制度」の利用が必要だと思われる利用者さんがいたとします。
「必要だ!」とハッキリ判断できなくても、「必要なのかも知れないな?」と思うぐらいでも結構です。
多くの場合、次に、どちらかの相談窓口にその旨ご相談しようかと考えると思います。
市役所、地域包括支援センター、相談支援事業所、社会福祉協議会・・・etc
大事なことは、「ご本人のために制度利用につないだ方が良いのではないか?」とモヤモヤしたままなんとなく支援者さんが一人で抱え込んだり、そう思いながらも、本来ならご自身の業務外のことを無理にやってしまわないことです。
お財布や通帳を預かるとか、代わりに何某の支払いに出向くとか、ご本人に代わって大事な何かを決めるとか・・・いろいろありがちではないですか?
実は、上記のことは実際に支援の現場で耳にする話なのですが、「本人に代わって支援者さんご自身でやってしまわない。」ということは、専門職として、支援者さんご自身または事業所におけるリスクマネジメントとしても大事なことだと思います。
制度利用の必要性がご自身で判断できなくても、必ず「本当にこのままでいいのかな?」というモヤモヤは一人で抱え込まず、ご相談されることをお勧めします。
「本当にこのままでいいのかな?」と気づいた支援者さんが、まずはそのモヤモヤを発信することが、成年後見制度の利用が必要な方への「利用支援」の第一歩にもなるはずです。
後見人等は「法定代理人」です
では、ひとまず、支援者さんからモヤモヤが発信され、どちらかの相談窓口につながったとします。
ご本人の権利擁護のために、成年後見制度への利用が必要であると判断され、チーム支援の結果、制度利用につながりました。
(実は、この相談窓口での窓口対応についても、しばしばケアマネさんなど支援者さんらからご相談を受けたりもするのですが、申し訳ありません!今回は割愛し内容を先に進めます。どうしても、窓口対応にさらなるモヤモヤが募る方は、下記のブログ記事をご参照の上、ご自身や自組織で「つなぐ支援」のスキルアップをはかることをご検討ください。)
「成年後見制度へのつなぎ方講座」承ります! | オフィス紗代|毛利真紀|長崎県佐世保市の社会福祉士事務所 (nagasaki-officesayo.com)
家庭裁判所で後見人等(後見人、保佐人、補助人)が選任され、審判がおります。
ご本人にとっては法定代理人になる人です。
これで、ご病気や障がいがゆえに判断能力に支障のあるご本人に代わって、法的に権限のある代理人が判断したり、決断したり、実際に実務を行ったりしていきます。
堂々と!お財布や通帳も預かりますし、ご本人に代わってサイン捺印もしますし、場合によってはご本人の権利のために戦ったりもします。
(保佐人、補助人については、代理権(何を代わりにしてもいいか)の確認が必要です。あしからず・・・)
何度も申し上げますが、後見人等は法定代理人です。
ご本人に代わって代理権を与えられ、ご本人の権利擁護を実践する立場にあります。
つまりそう考えると、例えば、場合によっては、支援者さんらとも相対する立場にもなり得るということです。
利用(つなぐ)支援チームの支援者さんはどこいった?
さて、ここからようやく今回の本題なのですが(笑)、私はこれまでしつこいくらいこのブログやあちらこちらで、後見人等はご本人の法定代理人であり、ご本人の権利擁護を行う者だとお伝えしてきました。
それはもちろんそうなんです。
今回ここで一つ問題提起したいのは、せかっくケアマネさんら支援者さんが後見制度の利用の必要性についてモヤモヤを発信し、相談窓口につながり、制度利用の必要性について検討され、制度への利用支援がチームで行われた。
・・・のにも関わらず、後見人等が決まった途端、利用(つなぐ)支援チームの支援者さんたちがいなくなってしまうということです。
すべての窓口に対してとは申しませんが、往々にして審判がおりた途端、場合によっては、家庭裁判所に申立書が提出された途端に利用支援チーム解散!され、その後、誰が受任されたのかも関心がないといったケースにも出会ったことがあります。
さすがに、いかがなものでしょうか。
申立書が提出されれば、後見人等が決まれば、皆さんの支援は終わりですか。
制度への利用(つなぐ)支援を行ったということは、ご本人のためにそれが必要だという判断があって、つまりはご本人は判断能力の難しさから何某の課題を抱えておられたのであろうと思います。
後見人等が決まったということは、その課題解決に向けてようやくスタート地点に立てたことに過ぎないのではないでしょうか。
「申立理由は、〇〇です。では、あとは宜しく・・・。」で、いいのでしょうか。
その先を気にも留めないというのは、そもそも支援プランとしてどうなのかなと実務者としては感じてしまいますし、何より、ご本人さんにとってそれが正しいつなぎ方なのかなと思えてなりません。
後見人等は支援者のみなさんとは違います
そもそも論で申しますと、先でも書きましたが、後見人等は支援者のみなさんとは立場が違います。
これもよく勘違いされることの一つですが、支援者の皆さんから、自分たち支援者の仲間が一人増えたと捉えられることも少なくありません。
成年後見制度を語るうえで大事なことなので何度も申しますが、後見人等はご本人の法定代理人なんです。
支援者さんたちの仲間ではなく、同じ立ち位置にもいません。
どっちが上で、どっちが下とか、そういうことでもありません。
ご本人にとってのポジショニングが違うのです。
*ご参照
後見人等(後見人、保佐人、補助人)の立ち位置 (nagasaki-officesayo.com)
つまり、後見人等には後見人等の、支援者の皆さんにはみなさんの、ご本人に対するそれぞれの責務があるということです。
そう考えると、もともと何らかの「福祉」の支援を必要とされていたご本人に対して、審判がおり後見人等が選任されたから自分たちはもう介入する必要がない・・・わけはないでしょう。
自分たち支援チームが行った「成年後見制度へつなぐという支援」や「成年後見制度へのつなぎ方」が正しかったのかどうか、少なくとも振り返る必要性は十分あるのではないでしょうか。
そして、状況は変わっていくとはいえ、引き続き介入の必要性やその程度は、ご本人のためにも気にかけていかれる方がよろしいのではないでしょうか。
後見人等は支援者の皆さんが持ち得ない代理権を、法的な根拠のもと持っていることは事実です。
しかし、後見人等は支援者さんたちの代理人ではありません。
ご本人を中心に、各々の立場からなされるべきことはずっとあると思います。