後見人等(後見人、保佐人、補助人)の立ち位置

ケアマネジャーさん向けコラムその②

成年後見人って、そもそもどんな立場なの?

家族の代わり?支援者のひとり?

後見実務を行う中でも、「あ~・・・たぶん勘違いされてるかも?」と思う後見人等の立ち位置(ポジショニング)について解説します。

後見実務を行っている中で、ときどき、ケアマネジャーさんなど支援者さんたちからみて、我々後見人等(後見人、保佐人、補助人のこと。以下、後見人等と記します。)とご家族との区別が難しいのかな?と感じるときがあります。

または、皆さんと同じ支援者のひとりと思われているのかな?と感じることもあります。

今回は、この後見人等の立ち位置(ポジショニング)について解説します。

まず、ご家族との違いを述べます。

後見人等は、あくまで被後見人等(被後見人、被保佐人、被補助人)ご本人の法定代理人です。

ご本人にとってのご家族と大きく違う点は、この「法定」代理人であるということです。

とは言え、家族の場合、「夫(妻)だ。」とか、「実の!子どもだ。」とか、その親族の関係性からより強い立場を表面的には感じやすいかも知れません。

日本には特に血縁であるとか、配偶者であるとか、実子であるとか、家(家族)に対する文化的背景が根強くありますので、それは感覚的には理解します。

しかしながら、裁判所から審判を受け、ご本人の法定代理人であるという選任をされ、かつ法務局にその旨登記されている後見人等は、世の中の誰よりも、ご本人に代わる者としての権限が法的に認められた「法定代理人」です。(*:1)

ですから、我々の後見実務上の視点や発言は、ご本人のそれに代わるものであって、ご家族の視点やご意見に代わるものではありません。

よって、本来、ご家族から頂戴するようなサイン等も代筆いたしませんし、ご本人に代わる発言(代弁)はしても、ご家族に代わる発言はできないのが後見人等です。

(*:1 厳密に言えば、「医療同意の権限」はありません。これは、医療同意(「手術していいですよ。」「おなかをメスで切っていいですよ。」などと許可すること)自体が、その体の持ち主である本人でなければ出来ないと法的に決められているからです。)

 次に、皆さんと同じ支援者の一人ではないという考え方についてです。

上記のとおり、後見人等はあくまでご本人の法定代理人ですので、エコマップ(人物や環境の関係図)でいえば、ご本人に半分重なっているような立ち位置になります。

もしくは、ご本人の隣にくっついているのが後見人等です。

その立場から、あくまでご本人の代弁者となり、ご本人の視点(立場)で物事を見て判断をします。

皆さんと同じ支援者さんたちの並びにはいませんし、ご家族の並びにもいません。

例えば、ケアマネジャーさんの支援展開(ケアマネジメント)の中で、「ケアプランの説明」がありますね。

その場合は、基本的に、まずは皆さんからご本人にご説明を行ってください。

後見人等は一緒にご説明を聞くか、もしくは別に聞くか状況にもよりますが、いずれにしても、皆さんのご説明をかみ砕いて、被後見人等に解説するのが後見人等の仕事ではありません

ケアマネジャーさんの代理人でもなく、代弁者でもないからです。

ときどき、ご本人とケアマネジャーさんの間にいる「通訳のひと」のように思われている場合がありますが、それは間違っています。

我々がそこで確認していることは、その支援内容やご説明に、ご本人の意思や意向が反映されているか、くみ取るご対応をして頂いているか、不利益が生じていないかという点です。

そもそもご本人の理解力(ご病気や障がい)に合わせたご説明の仕方を工夫して行って頂いているかという点も見ています。

まあ、この点については、後見人等がついている,いないに関わらず、支援の基本的なあり方ではないかと個人的には思います。

医療や福祉の支援者としての力量や倫理観が問われる部分でもありますね。

ですので、ときどき、ご本人とは別にケアプランの説明を聞いた場面で、「それで、ご本人はこの支援内容でなんと言われていますか?」と質問した際に、お答えできないケアマネジャーさんがいらっしゃいます。

後見人等としては、そのご対応について、まずもって見直して頂くようお願いします。

実際にその支援(サービス)を受けるのは、ご本人なのですから。